音で観るダンスとは

視覚に障害のある人たちが芸術を楽しむために、音により視覚情報を補助する「音声ガイド」。最近では、携帯電話のアプリで音声ガイドを聴きながら映画を観るなど、使われ方が広がっています。

音声ガイドは、視覚情報を音で置き換えることで、鑑賞する人の頭の中にさまざまなイメージを浮かび上がらせる手法です。そんな音声ガイドをダンスという身体表現につけるとしたら、どんなイメージや体験が生まれるでしょうか。

それは、より多くの人が身体表現を楽しめるようになる状況をつくるだけでなく、視覚の有無を超えて、ダンスの新しい見方にもつながるのではないか、というのが今回の試みです。

プロジェクトは、さまざまな実践者によるワークショップと研究会を経て複数の音声ガイドを開発し、観客はそれらの音声ガイドを選んで聴きながらダンスを観るという形で発表を行いました。

本ウェブサイトは道なき道を進んできたプロジェクトを振り返り、さまざまな考察やインタビューを交えながら、ダンスと音声ガイドのより良い関係のヒントを得ようとするものです。

「音声ガイド」はその他にも、音声解説やオーディオディスクリプションなど、現状ではさまざまな呼び方が混在していますが、このプロジェクトでは「音声ガイド」としています。